田村英明
経理総務部 部長
50年の知見を集約した、
「テクノロジーカンパニー」へ
事業推進本部 技術部 主任
林 世峻(リン・シチュン) Rin Shuchun
VOICE
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2018年に入社して、今年で5年目になります。
台湾の大学で理学部を専攻し、卒業後、1年間の語学学校時代を経て、山形大学に留学。そこでは修士課程に在籍し、鉱山系の研究を専門としました。
日本に留学した理由は、台湾では地質研究があまり盛んではないから。
実は、台湾で読める本格的な地質研究書も、基本は日本語の文献なんです。
戦前に台湾に入ってきた日本語での研究が、結局は一番詳しい内容で、さらに知識や経験を深めようと思ったら、日本やアメリカ、オーストラリアなどに留学するしかありません。
留学先の山形大学は、地盤試験所の先代社長である金道繁紀氏の母校でもあります。先代が40年ぶりに大学を訪ねられた際、そのときの就職担当者が私の先生だったこともあり、紹介してもらいました。
会社説明会に出席し、その後の飲み会で「英語はできますか」と聞かれ、「ハイ」と答えたら、それで入社が決まった感じです(笑)。
入社後は、計測部の現場で3年ほど経験を積みました。
全国各地のさまざまな現場に行き、まだ足を踏み入れていないのは沖縄くらいでしょうか。
旅が趣味の自分にとって、地盤試験所の仕事は出張が多く、うれしくもありました。
計測部の仕事内容は、建造物を建てる際、地盤に杭を打ち、その杭を地盤がきちんと支えられるかという支持力を測る作業です。
地盤を計測して、データ解析し、この上に建造物を建てて問題ないかどうかを調べる。
これは人々の生活における安全性を測る基礎部分なので、非常に大切な、やりがいのある仕事だと感じています。
もっとも今の私は、そうした解析データや数値を元に、ひたすら論文を書くことが主な仕事です。
すでに海外向けの論文を英語で6本、国内向けの論文を日本語で4本ほど提出しています。
毎月のように締め切りが迫る生活は、現場メインだった時代とはまったく違う生活で、金沢大学の教授とともに、論文執筆で机に向かうのが、最近の私が送る日常です。
論文に必要な調査やデータ観測は、主に茨城にある自分の敷地で行っています。作業の合間に焚火をして、ボーっと休憩する時間が最高の癒しです。
地盤試験所にいて感じる、一番の魅力は「自由」だと思います。
私の髪型を見てもわかるかもしれませんが、仕事に真面目に取り組んでいれば、個々人の自由な采配を尊重してくれる雰囲気が好きです。
社員もみんな仲がいい。同僚だけでなくて、先輩も後輩も関係性がよくて、現場でのチームワークもしっかりしています。
現場終了後に、みんなで飲みにいくのも楽しいです。
でも、妙な馴れ合いはないんですよね。
なんというか、基本的に一匹オオカミの人たちが、たまたま集まってチームを組んでいるような感じ。そんな干渉し過ぎない空気感も、「自由」を感じるポイント。
私も、みんなで飲むのも好きだし、1人の時間も好きなので、ここでの生活は心地よいです。
いろいろな土地に出かけてみたい人にとっても、地盤試験所は向いているかもしれません。観光ブックに載っていないような土地にも行けるのが、旅行好きの私にとってはたまらなく楽しかったです。
先日は北海道の石狩湾で仕事があったので、終わったあとに車を運転して青森まで、津軽海峡をフェリーで渡ってみました。
私は飛行機が苦手なので、日本全国どこでも、電車か車で移動するんです。
今、個人として掲げている目標は、まず50歳までがむしゃらに働くこと。
私は「人生50年」だと思っていますから(笑)。その後は、まだわかりません。
もしかしたら、このまま地盤と向き合い続ける人生を送っているかもしれないし、あるいはまったく関係ない業界で働いているかもしれない。
土つながりで、農業をやってみるのもいいかもしれませんね。
地盤試験所は今年、50周年を迎えています。
次の50年はスケールが大きくて、まだ私には想像もつきませんが、先代の思いを大切に、山本社長が描く成長を実現できるよう、これからもがんばっていきたいです。