DYNAMIC LOAD TEST
杭の衝撃載荷試験DLT

衝撃載荷試験は、衝撃荷重による杭の鉛直支持力特性に関する資料を得ること、またはすでに定められた杭の設計鉛直支持力の妥当性を確認することを目的として実施する試験です。

他に、打込み杭を対象とする場合は、打止め管理や杭体応力、ハンマー効率の評価などの施工管理に用いる資料を得ることを目的として実施することもあります。
衝撃載荷試験は、静的載荷試験と違い反力体や反力杭を必要としない試験方法です。通常、施工機械などのハンマー(油圧ハンマーやモンケン等)を使用して実施します。

時間やコストの関係で、静的載荷試験や急速載荷試験の実施が困難なケースは決して少なくありません。
衝撃載荷試験は、短時間で低コストに試験結果が判明するというメリットがあり、施工管理の合理化と、より正確なデータによる施工の安全性の確保に貢献します。

具体的な試験方法

杭頭にハンマー(油圧ハンマーやモンケン等)を落下させると、衝撃荷重が短時間(0.01~0.02秒)で杭頭に載荷され、杭体に波動現象が発生します。
衝撃載荷試験は、その時に杭頭に発生するひずみと加速度から、一次元波動理論に基づいて支持力を導出する試験方法です。

杭頭付近にセンサー(加速度計、ひずみ計)を取り付けて、現場のハンマーを用いて容易に試験を実施することができます。
ただし、ハンマーの伝達エネルギーには限界があり、最大級のハンマーを使用した場合でも、確認できる静的抵抗は最大約10MN程度までです。
それ以上の確認が必要な場合には、別途重錘などの打撃装置を用います。

試験結果

試験結果は、波形マッチング解析と呼ばれる一次元波動理論に基づいた波動伝搬モデルによる解析により、静的な杭の支持力を推定します。
計測された入力波を境界条件とし、計算された反射波と計測反射波が合ったときの地盤のパラメータから静的抵抗を得る解析手法です。

実績例
伊良部大橋
五洋青海ターミナル
パプアニューギニア国「ニューブリテン国道橋梁架け替え計画」