杭の支持力試験(急速載荷試験)は、構造物の基礎となる杭の鉛直方向の支持力を確認することを目的としています。静的載荷試験との大きな違いは、荷重を作用させる際に大掛かりな反力体や反力杭を必要としない点が挙げられます。
試験によって明らかにされた解析結果とその評価は、構造物の信頼性を担保するものであり、構造物の信頼性の根幹を担っています。
杭の支持力試験(急速載荷試験)は、構造物の基礎となる杭の鉛直方向の支持力を確認することを目的としています。静的載荷試験との大きな違いは、荷重を作用させる際に大掛かりな反力体や反力杭を必要としない点が挙げられます。
試験によって明らかにされた解析結果とその評価は、構造物の信頼性を担保するものであり、構造物の信頼性の根幹を担っています。
急速載荷試験の載荷方法は、推進燃焼ガスを使用した反力体慣性力方式(スタナミック)と、軟クッションを介して重錘を落下させる軟クッション重錘落下方式の二通りの方法があります。
軟クッション重錘落下方式は、日本が世界に先駆けて基準化した動的載荷試験です。その後、USAにおける基準「ASTM」に「Rapid Load Test」が採り上げられて基準化されました。
また、ヨーロッパでも「INTERNATIONAL STANDARD ISO 22477-10:2016{E}」で急速載荷試験が基準化されました。
スタナミック試験
杭の押込み試験方法
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ハイブリッドナミック試験
杭の急速載荷試験方法
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試験方法 |
試験方法 |
反力体慣性性力方式 | 軟クッション重鍾落下方式 |
手法 |
手法 |
反力体の推進剤燃焼による打ち上げ | ハイブリッドナミッククッションによる衝撃力の緩和 |
急速荷重 |
急速荷重 |
Max=30MN | Max=30MN |
長所・短所 |
長所・短所 |
・繰返し載荷は不可能 ・推進火薬の使用申請が必要 |
・繰返し載荷が可能 ・重鐘の質量増加により最大荷重の増大が可能 |
鉄製の重錘を杭頭に自由落下させて叩き、その沈下量と載荷重を測定することにより杭の鉛直方向の支持力を確認し、上部構造物が地震等で揺れても安全が確保できるか否かを判断します。
まず、必要な設計荷重に応じて仮設構造物(急速載荷試験装置)を組み立てます。
大型装置
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中型装置
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小型装置
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重錘 |
重錘 |
重錘 |
44t~180t | 6.5t~32t | 0.95t~7t |
設置面積 |
設置面積 |
設置面積 |
9m×9m | 5m×5m | 2m×2m |
高さ |
高さ |
高さ |
15m | 11m | 77.5m |
工程 |
工程 |
工程 |
7日 | 4日 | 1日 |
次に油圧ジャッキにより重錘を決まった高さまで引き上げ、試験開始と同時に重錘を自由落下させ杭に衝突させます。
この作業を重錘の落下高さを段階的に上げながら何度も実施します。
杭に載荷される荷重や沈下量は、あらかじめ杭の上部や中間及び先端に設置された衝撃を感知するセンサーによって測定されます。
加速度や変位量などの測定データは(図1)のように示され、(図2)に示す解析手法により静的支持力を求めることで、杭の支持力特性を評価します。
杭の急速載荷試験では、重錘が試験杭に衝突して跳ね返るまでの僅かな瞬間に測定を行いますが、この測定を可能とするためには0.05秒~0.15秒の載荷時間が必要です。
当社のハイブリッドナミック試験では、杭頭にエラストマー(合成ゴム)と鋼板のハニカム構造(蜂の巣構造)から成る積層ハイブリッドナミッククッションを介在させることにより、通常瞬間的には測定できない荷重を、上記のような測定可能な載荷時間にまで荷重を確保できるように考慮した試験法です。
ハイブリッドナミッククッションは、荷重ピーク付近の載荷時間が長い理想的な急速荷重波形を実現し、米国のPDI社をはじめ、アジアの多くの国々に技術供与を行っています。
特 許 | 日本他、4か国にて取得 |
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登録名 | 杭の急速載荷試験装置 ハイブリッドナミック クッション、 特許番号 特許第4068030号(日本) |
登録名 | 杭の急速載荷試験装置 ハイブリッドナミック キャッチングシステム、 特許番号 特許第6613430号(日本 |
その他2案件出願中
特 許 | 日本他、15か国にて取得 |
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登録名 | Hybridnamic(ハイブリッドナミック試験) 出願番号 商標登録第5008046号(日本) |
その他2案件出願中