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東京湾アクアライン「海ほたる」でφ2000mm鋼管杭の支持力試験を担当しました。 |
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東京湾アクアライン断面図 |
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世界最大級押込み試験(加力能力50MN) |
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引抜き試験(加力能力24MN) |
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計測風景 |
東京港臨海道路押込み試験(加力能力45MN) |
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1.杭の載荷試験とは |
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杭の載荷試験は、杭の支持力や設計諸数値を求めるために広く行われている試験です。杭の鉛直載荷試験方法は地盤工学会基準で細かく定められおり整理すると以下の通りとなります。 |
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表-1 杭の鉛直載荷試験方法一覧表 (1) |
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試験名称 |
基準番号 |
荷重の性質 |
試験時間 |
加力方法 |
押込み載荷試験
(鉛直載荷試験) |
JGS
1811-2000 |
静的な載荷試験 |
数十分〜十数時間の載荷時間を要する載荷試験 |
油圧ジャッキで実施する載荷試験 |
先端載荷試験
(鉛直載荷試験) |
JGS
1812-2000 |
静的な載荷試験 |
数十分〜十数時間の載荷時間を要する載荷試験 |
油圧ジャッキで実施する載荷試験 |
引抜き載荷試験
(鉛直載荷試験) |
JGS
1813-2000 |
静的な載荷試験 |
数十分〜十数時間の載荷時間を要する載荷試験 |
油圧ジャッキで実施する載荷試験 |
鉛直交番
載荷試験 |
JGS
1814-2000 |
静的な載荷試験 |
数十分〜十数時間の載荷時間を要する載荷試験 |
油圧ジャッキで実施する載荷試験 |
軟クッション重錘
落下方式 |
JGS
1815-2000 |
動的な載荷試験 |
0.01〜0.1秒の載荷時間を要する載荷試験 |
軟クッションと重錘落下による載荷試験 |
反力体慣性方式 |
JGS
1815-2000 |
動的な載荷試験 |
0.01〜0.1秒の載荷時間を要する載荷試験 |
燃焼ガスによる載荷試験 |
衝撃載荷試験 |
JGS
1816-2000 |
動的な載荷試験 |
0.01〜0.1秒の載荷時間を要する載荷試験 |
重錘落下による載荷試験 |
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表-1 杭の鉛直載荷試験方法一覧表 (2) |
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試験名称 |
反力装置 |
載荷試験位置 |
載荷試験方向 |
押込み載荷試験
(鉛直載荷試験) |
反力杭、載荷梁 |
杭頭で加力する載荷試験 |
鉛直方向 |
先端載荷試験
(鉛直載荷試験) |
載荷杭の摩擦を反力とする |
杭先端で加力する載荷試験 |
周面:押上げ
先端:押込み |
引抜き載荷試験
(鉛直載荷試験) |
反力杭、載荷梁による |
杭頭で加力する載荷試験 |
引抜き方向 |
鉛直交番
載荷試験 |
反力杭、載荷梁による |
杭頭で加力する載荷試験 |
交番(押込み、引抜き) |
軟クッション重錘
落下方式 |
反力装置を必要としない載荷試験 |
杭頭で加力する載荷試験 |
鉛直方向 |
反力体慣性方式 |
反力装置を必要としない |
杭頭で加力する載荷試験 |
鉛直方向 |
衝撃載荷試験 |
反力装置を必要としない |
杭頭で加力する載荷試験 |
鉛直方向 |
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2.杭の鉛直載荷試験の定義 |
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杭の鉛直載荷試験は荷重の性質から静的載荷試験と動的載荷試験に分類されます。
静的載荷試験と動的載荷試験は、杭と地盤の速度や加速度に影響をうける抵抗を無視する事ができるか、できないかで区分されています。
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表-2.1 杭の鉛直載荷試験の定義 |
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区分 |
載荷方法の定義 |
相対載荷時間 |
静的載荷試験 |
杭体と地盤の速度および加速度に依存する抵抗を無視することができる載荷 |
Tr≧500 |
動的載荷試験 |
急速載荷試験 |
杭体の波動現象は無視できるが、杭体と地盤の速度および加速度に依存する抵抗を無視することができない載荷時間を持つ載荷 |
500>Tr≧5 |
衝撃載荷試験 |
杭体の波動現象や杭体と地盤の速度および加速度に依存する抵抗が顕著な載荷 |
5>Tr |
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2-1.静的載荷試験について |
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実際の杭と同じ荷重条件でおこなうため、信頼性の高い結果が得られます。
ただし、反力杭や載荷梁を使用した大掛かりな装置を組み立てるため、費用と工期が必用です。
静的載荷試験の種類には、押込み載荷試験、先端載荷試験、引抜き載荷試験、鉛直交番載荷試験、水平載荷試験などの種類があります。 |
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2-2.動的載荷試験について |
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動的載荷試験は、静的載荷試験とは違い杭頭に動的な荷重を作用させて実施する載荷試験です。静的載荷試験との大きな違いは、荷重を作用させるのに大掛かりな反力体や反力杭を必要としない点があげられます。
動的載荷試験には急速載荷試験と衝撃載荷試験があり、この2つは杭体に発生する波動を無視できるかどうかで分類されています。この分類は載荷時間の長さで決まり、杭体中を伝わる波が何往復しているかで定義されています。
この波が何往復しているかというのは相対載荷時間Trといわれ、杭を1往復する時間を1とした載荷時間で計算されます。相対載荷時間が5以下なら衝撃載荷試験、5以上で500よりも少なければ急速載荷試験、500以上であれば静的載荷試験に分類されます。
Tr=tL/(2Lc)
Tr:相対載荷時間
tL:載荷時間
L:杭長
c:伝播速度 |
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●押込み載荷試験について |
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押込み載荷試験は、静的荷重による杭の鉛直支持力特性に関する資料を得ること、鉛直支持力の妥当性の確認などを目的として行なわれる載荷試験です。
実際の杭と同じ荷重条件で行なう為、信頼性の高い結果が得られます。
ただし、載荷試験を行うためには荷重を作用させるための反力体や反力杭が必要になり、載荷梁を使用した大掛かりな装置を組み立てる為、費用と工期が必要です。 |
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●先端載荷試験について |
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先端載荷試験は、杭の先端支持力特性、周面支持力特性、あるいは両者に関する資料を得る、または杭の設計鉛直支持力の妥当性を確認する為に実施する載荷試験です。
載荷試験を実施する前に、杭の先端にあらかじめジャッキを取付けて杭を施工します。
載荷試験は杭の周面の摩擦力と先端抵抗力を相互反力にして載荷を行ないます。
周面の摩擦と先端抵抗力をそれぞれ反力として使用するため、どちらかの極限荷重までしか載荷試験を行なう事ができません。状況によっては荷重の不足分を補う補助反力装置が必要になってきます。 |
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●引抜き載荷試験について |
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引抜き載荷試験は、静的荷重による杭の引抜き抵抗力特性に関する資料を得ること、杭の設計引抜き抵抗力の妥当性を確認することなどを目的に実施する試験です。 |
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●鉛直交番載荷試験について |
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鉛直交番載荷試験は、構造物のロッキング動などによって杭に作用する縦方向交番荷重に対して、杭の鉛直支持力特性および引抜き抵抗力特性に関する資料を得ること、または、すでに定められた構造物のロッキング動に対する杭の設計鉛直支持力および設計引抜き力の妥当性を確認する事を目的として実施する試験です。 |
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●急速載荷試験について |
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急速載荷試験は動的載荷試験に分類される載荷試験方法のひとつです。
急速載荷試験は、急速荷重による杭の鉛直支持力特性に関する資料を得る事、またはすでに定められた杭の設計鉛直支持力の妥当性を確認することを目的として実施する試験です。
急速載荷試験は、静的載荷試験と違い反力体や反力杭を必要としない試験方法です。載荷方法は、推進燃焼ガスを使用したSTAT NAMIC(スタナミック)と軟クッションを介して重錘を落下させる軟クッション重錘落下方式の二通りの方法があります。 |
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●衝撃載荷試験について |
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衝撃載荷試験は動的載荷試験に分類される載荷試験方法のひとつです。
衝撃載荷試験は、衝撃荷重による杭の鉛直支持力特性に関する資料を得ること、またはすでに定められた杭の設計鉛直支持力の妥当性を確認することを目的として実施する試験です。他に、打込み杭を対象とする場合は、打止め管理や杭体応力、ハンマ効率の評価などの施工管理に用いる資料を得ることを目的として実施する事もあります。
衝撃載荷試験は、静的載荷試験と違い反力体や反力杭を必要としない試験方法です。
通常、施工機械などのハンマ(油圧ハンマやモンケン等)を使用して実施します。 |
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●水平載荷試験について |
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水平載荷試験は、杭の水平抵抗に関する各種の資料を得ることを目的として実施する試験です。他の静的載荷試験とは違い水平方法に荷重を作用させます。 |
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