株式会社 地盤試験所

SESSION

特別鼎談
変わるもの、変わらぬもの

設立から50周年を迎えた地盤試験所で、世代の異なる社員3人が本音で語り合う。
地盤に向き合い半世紀、「変わるもの」そして「変わらぬもの」とはなにか。

自由な社風に惹かれて、
根を生やしてきた

富岡  僕らはそれぞれ40代、30代、20代と異なる世代に属し、入社時期も異なります。そんな僕たちの目から見て、地盤試験所の過去と現在、そして未来はどう映るのかを語り合おうという企画です。
まずは、簡単に自己紹介から。僕は、富岡努(42歳)と申しまして、2004年入社で今年19年目、計測部でずっと仕事をしてきました。

中山  富岡さんと同様、計測部に所属している中山敦(35歳)です。2012年入社の11年目で、現場の載荷試験を始め、計画書から報告書の作成まで行っています。
これも富岡さんと同じですね。

荒川  僕も同じく計測部ですが、2020年入社で今年3年目の、荒川悠翔(25歳)です。

富岡  ちなみにみんな、入社の経緯は?
僕は知り合いから紹介されて、何となく就職した口なんですが……(笑)。

中山  僕は当初、派遣で働き始めまして、その後、正社員になり今に至っています。

富岡  荒川君は入社3年目だけど、もともと大学のインターンで入ってきましたよね。
今年で6年目くらいだから、案外、付き合いは長い気がしています。

荒川  そうですね。僕は建築工学学科出身で、大学3年生の時にインターンでこちらにきました。当時は計測部を1週間、調査部を1週間体験しましたが、富岡さんには、その頃からお世話になっています。

富岡  最初、「地盤試験所」の印象はどんなものでした? 

荒川  インターンといっても、大学生が見学に来ているようなものですから、みんな優しかったです(笑)。
でも、「お客さんだから気を遣って優しく」ではなく、素で優しい感じなんですよね。
その印象は、入社してからも変わっていません。

中山  たしかに、みんなマイペースで淡々としているけれど、雰囲気は良いですよね。

富岡  計測部の場合、基本的にそれぞれ車で現場へ行って、終わったら直帰してしまうから、普段から吞みに行く習慣はありませんが、たまに地方の現場や、歓迎会や忘年会などでは、盛り上がるよね。

中山  僕は予定が重なっちゃうことが多くて、不参加も多いですが(笑)。

荒川  富岡さんと中山さんが入社された頃の雰囲気は、今と違いましたか?

富岡  う~ん、もう少し厳しかった印象はあるかな。
時代も時代で、現場では怒号が飛び交うなんてこともあったし。でも昔からマイペースな雰囲気はそう変わりませんね。
ちなみにインターンのあと、試験や面接を経て、入社する流れでしたか?

荒川  インターン後の打ち上げで飲んでいて、「面接受けるか?」と聞かれたので「ハイ」と答えました。
その後、面接を受けたんですが、実際はもう内定の話だったと記憶しています(笑)。

中山  みんな、なんとなく気づいたらここに根を生やしていた……という感じですね(笑)。

創業50年、
そしてコロナ禍を経て

富岡  みんなの中にある「地盤試験所」って、どんなイメージですか?

中山  現場作業と、アカデミックな知見のバランスが、うまく取れている会社だと思っています。
社風としては、まさに「自由」。少人数なこともあり、アットホームで居心地が良い。

荒川  あ、僕も同感です。

富岡  僕は入社前と入社後で、少しイメージが変わったかな。
「自由」というのは同感だけど、入社前は、もっと「管理者」「現場責任者」「作業員」と、きっちり分業体制なのかと思っていました。
でも入社してみたら、みんながすべてをやっている。もちろん個人差はありますが、ひたすら現場で経験を積み、報告書まで作成するんだ……と驚きました。

荒川  たしかに、入社3年目で現場統括を担当するなど、ハードルが高い場面もありますね。でも、ブラックじゃない(笑)。
だから、入社から3年経つけど、一度も「辞めたい」と思ったことがありません。
最近は結構、学生時代の友人から、それぞれ会社や仕事の愚痴なんかも飛び出すようになってきましたけど、僕は「仕事が楽しい」部類なんだろうと思います。

富岡  ちなみに荒川君たちの世代は、2020年入社で、コロナ真っ只中だったでしょう。
歓迎会とか飲み会なんかは一切ない状況で、みんなマスクをしながら仕事をしていた。ようやく今年、3年分まとめての歓迎会ができて、主賓は3年間の新入社員8人でしたね(笑)。

中山  現状、社内で一番多いのは40代ですが、若い人もどんどん入ってきてくれて嬉しいです。

富岡  そんな世代も違う3人ですが、この会社の変わらない「軸」とはなんでしょうね。
僕と中山君が入社したときは、先代の金道社長時代でしたが、現在の山本社長に代わったあとも変わらない、地盤試験所の核となる部分ってなんだと思いますか。

中山  業務内容では、やはり載荷試験やCTPなど、日本の中でもトップレベルの技術を誇る企業であるということですね。
会社としての基盤が確固たるものとしてあり、業務内容でも技術力でも、競合他社に引けを取らない一本筋が通っている。先代の時代から培ってきた技術に加え、新しい技術を開発していこうという意欲も、社風としてあると思います。

富岡  たしかに、現在の事業と並行して、常に新しい実験をしていますね。

中山  そうした社風は、先代が「新しい技術を常に試していこう」と会社をリードしてきたからこそで、その熱は50年後の今も、変わらない「軸」としてあるでしょう。

富岡  荒川君も、たしかインターンのときに金道会長に会っていますよね。そこから数えると6年目になるわけですが、逆に「変わったもの」って、なにか感じますか。

荒川  「働き方」は、全体的に良くなったように思います。
業務の特性上、繁忙期は土曜日も現場に入ることはありますが、それでも明らかに減ってきました。なにより、無駄な残業がありません。

中山  富岡さんが入社された頃の、働き方はどうでしたか。

富岡  昔は土曜日に仕事をするのが、当たり前で、今とはだいぶ違いましたね。日曜日だけが予備日となっていたから、現場の状況によっては、土日出勤も少なくなかった。
最近は社会全体としてはもちろん、業界としても「ちゃんと休みを取ろう」という流れになってきていますよね。そもそも作業スケジュールを組む段階で、土日は基本、稼働しない前提になったわけです。

荒川  僕のインターン時も、まだ土曜日出勤があったので、それなりに覚悟はしていました。
でも、ふたを開けてみたら、土曜日の仕事はほとんどなくなっていた。土日をちゃんと休めるのは、ありがたいです。

地盤試験所の
「推し!」ポイント

富岡  自由な社風や技術以外に、“地盤試験所ならでは”だと感じるものってありますか?

荒川  頑張った分だけ、評価されることですね。

中川  おお、それはどういうところで感じます?

荒川  些細なことですけど、「見てないだろう」と思っていたことを、意外と上の人は見ていたし、知っていた……という経験が何度もありました。
例えば、現場で話したことを社内の人も把握していて、「こういう話、聞いているよ」と相談に乗ってくれたことがあります。あとは、自分の中で「できるようになった」と感じたことを、上の人がちゃんと見て、知っていて、わざわざ声をかけてくれるのは、やはりモチベーションアップにつながりますよね。
逆に質問ですけど、入社10年目、20年目ともなると、どういうところで仕事のモチベーションが上がるんですか?

中川  現場での仕事を終えて、お客様から直接僕らに感想や感謝の言葉をいただけると、「信頼を得られたんだな」と嬉しくなります。普段の仕事は地道だけど、そういうフィードバックを得られる瞬間に「よし!」と感じますね。

富岡  たしかに、これくらいの年次になると、普通の仕事はできて当然。
その中で、「これはちょっと難しい」「厳しい」というような案件になんとか取り組んで、やり遂げたあとは、グッとこぶしを握って「やった!」と思うよね。
最後の質問だけど、「これからの50年、守っていきたいもの」ってありますか。

中山  やっぱり地盤試験所の核である「技術力」は守っていかないといけないと思いますね。
それと同時に、「新しいことへの挑戦」も続けていきたいです。普段の業務と並行してだと、なかなかエネルギーも必要ですけどね。

荒川  載荷試験やCPTに関しては、お客様からの信頼は揺らがないレベルに達していると思います。だからこそ、それはキープしつつ、その上のレベルで、さらなる信用を得ていきたいです。
やっぱり、どんなに強みのある事業でも、それだけずっとやってるわけにはいきません。常に、挑戦していかないといけない。
あと、守るべきものとしては、今の「自由な雰囲気」も受け継いでいきたいです。
世代が違っても、こうしてスムーズにコミュニケーションを取れる関わりやすさも、この会社の推しポイントだと感じています。
僕は今25歳ですけど、20年後に下の世代から、「こいつ話しにくいな」と思われないように(笑)。相談しやすい、わからないことも聞きやすい人間でありたいです。

富岡  加えて「機動力」も守っていきたいかな。
今はまだ小回りが利く会社だけど、これからもっと組織が大きくなっていっても、いろんなことに手を出せるフットワークの良さは失いたくない。
突然入ってくる仕事も多いけれど、そういうのもしっかり丁寧に受けられる体制でありたいですね。

中川  なかなか普段、こうやって面と向かって、会社のことについてじっくり語り合うこともありませんが、今日は良い機会になりましたね。

富岡  それぞれ次の50年に向けてイメージが膨らんだところで、また明日からも頑張りましょう!